『 エレファント』は、1999年にアメリカのコロンバイン高校で起きた銃乱射事件がモチーフとなった作品で、2人の高校生が銃乱射事件を起こすまでを、「被害者」と「加害者」の両方の視点から描いています。
2003年に制作・公開され、同じ年に行われた「第56回カンヌ国際映画祭」で「パルムドール賞」と「監督賞」を受賞した名作です。
Elephant
1999年4月に発生した高校銃乱射事件をテーマにした映画。リアル過ぎる日常の破壊。
平凡な日常に潜在する死の恐怖と不条理性。
彼らはいったい、どこで道を間違えたのか。場面の長回し、バトンタッチ式の演出など、リアルな日常を感じさせるカメラワークが魅力的でした。 pic.twitter.com/aqlCi5d2Fj
— クマ (@Iwts_la) April 12, 2021

18年前のこの映画を「U-NEXT」で視聴してみましたので、感想をお伝えしたいと思います。
そして私以外の、この映画を見た人の評価と感想も紹介します。
更に結末についてもお伝えし、ネタバレさせていきます!
ここから先はネタバレ情報を含みますので、「ネタバレは嫌だ!見るまで何も言わないで!」という方は、こちらのリンクから直接『 エレファント』をご覧くださいね。
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映画「エレファント」のネタバレの感想
実際の事件をベースにした「フィクション」ではあるものの、この映画はたんたんと高校生達や犯人達の様子を淡々と撮り続けていて、「ノン・フィクション」かのような仕上がりになっています。
ただ、いとも簡単に人(高校生達)が次々と、犯人(同じ高校の2人の少年)に銃で撃たれて死んでいってしまうので衝撃的で、恐ろしかったです。
驚いたのは2人の犯人が途中で一人を射殺したことです。仲間割れ?何故?と考えても、理由が分かりません。
淡々と撮り続けているが故に、その原因、またそもそも2人が何故こんな乱射事件を起こそうとしたのか、そのきっかけのような決定打は見つけられませんでした。
敢えて言うならアレックスが物理の授業の時で嫌がらせを受けたからなのかもしれませんが、それであんな乱射事件を起こすものなのか?と思ってしまいます。
この映画は「なぜ?」を考えるというよりは、短絡的な思考をする人間が少なからずいて、あなたもそれに巻き込まれる可能性があるという、警告のようなものとして受け止めるといいのかもしれません。

以上が私の感想でしたが、次にこの映画を見た人達の評価と感想を紹介します。
映画「エレファント」の評価
それでは他の人の評価を詳しく見ていくことにしましょう。(評価は5段階評価で表しています。)
※著作権の関係があるので、原文の意味、ニュアンスを変えずに書き改めています。
原文は出展URLからご確認頂けます。
低い評価
まずは低い評価を見てみましょう。
○評価:★☆☆☆☆(1.0)
この作品はあくまでもフィクション映画。(マイケル・ムーアの『ボーリング・フォー・コロンバイン』とは対照的)
マリリン・マンソンの楽曲云々からだろうけど、実際の事件と何の関係もない「ベートーヴェンの曲」が登場したり、犯人は「恋愛もマトモに云々~」と「深い考察でしょ」の押し付け、「思考してまっせ感」の押し売り。
いずれにせよ、実際の事件と無関係な話だし、監督は「抽象的な部分を入れたのは、観客に事件について考えさせる余地を残したかった」とか言ってるけど、実際の事件について考えさせるなら、尚更、事実と無関係な話(フィクション)を付加すべきではない。
ガス・ヴァン・サント、『誘う女』だと、恐ろしく表層的な浅い思考回路の映画を作っていたけど、他を観ても「良い映画」と思った試しがない。Nirvanaのカート・コバーンをテーマにしたのも、酷かった。
○評価:★★★☆☆(3.0)
何の見せ場もなく、こんなに沢山主要人物が死ぬのがリアル。こんなに嫌なめでたい日もない。
高い評価
では、次に高い評価のものを見てみましょう。
○評価:★★★★☆(4.0)
ただ銃社会を批判する映画ではない。
日常が壊される瞬間を、シンプルに描くあっけなさ。
とても悲惨なはずだが感動した。なんでもない雑音が雰囲気を出していて良い。
複数の視点で見えてくる感じも好き。
○評価:★★★★★(5.0)
この作品のストーリーからわかることは、”いかに平凡の中に突如として現れる非凡が恐ろしいか”ということだ。
映画の前半からは予想もつかない後半の激しさ、エリーゼのためにがこれ程悲しく聴こえることは無いように思える。
実際に起こった事件を題材にしているということで、ガス・ヴァン・サントも役者をあまり使わないなど、リアリティをかなり追求しているのがわかる。
一番のこの映画の見どころは演出だと思う。
あえて一人ひとりをカメラで追うだけではあるが、全体を通してその日がどうゆう状態だったのかがわかるようになっている。
ジョンが主役となっている理由は、危機をいち早く察知したからなのか、ガス・ヴァン・サントがElephantという題名に込めた想いなど、考える程味わい深い映画であることは間違いない。
○評価:★★★★★(5.0)
前半は高校生の日常を単純に描いている。
ベートーベンの「月光」にのせて、ただ1人の生徒を追うだけの映像は、ほんとに素朴で、つまらなくて、でも、世界観にのめり込んでいってしまうような、不思議な時間だった。
まるで自分が、そこの学校の生徒の1人であるかのような気がしてくる。
ラスト15分の為に、前半の全てがあるのだと感じた。
役者が高校生の中からオーディションで選んだがゆえに、とてもリアリティのある空気だった。
それにしても、Alex frostの表情がたまらなかった。
とても悲しそうで、ぼんやりとして、気が弱そうな顔つきなのに、淡々とした表情で、銃を撃ちかます。
そしてラストの、Eeny meeny miny moe。ものすごく怖い。でも、何故かとても好きだった。
映画「エレファント」の結末

さて、乱射事件を起こしたアレックスとエリックの二人組。最後はどんなエンディングなのでしょうか。
車で学校(高校)に向かうアレックスとエリック。
校内に入ると、2人はまず図書館に入ります。
銃に弾を込めリロードしていると、その音を聞いて振り返ったミッシェルを銃で打ちます。そして次にイーライを。
アレックスとエリックは次々に銃を乱射し、女子トイレにいた3人の女子高生を撃ち殺します。その後、廊下で校長先生を。
ネイサンと恋人は銃声を聞き、カフェテリアに逃げ込み、冷蔵庫の中に隠れます。
その後、エリックがアレックスに声をかけます。ところがアレックスはエリックのことを撃ち殺してしまったのです。
そしてキッチンに向かうアレックス。奥から物音がしたので、アレックスはキッチンの冷蔵庫を開け、ネイサンと恋人は見つかってしまいます。
アレックスは「どちらにしようか」と言いながら2人に2人に銃を突きつけ、映画は終わります。

なんとも中途半端な終わり方のようにも思えますが、あとは見た人達の考えに委ねるというのが監督ガス・バン・サントの狙いかもしれませんね。
この映画は、「なぜ?」といったことや、内容そのものについて考えるより、撮り方や演出=映像を味わうのが見どころといえるかもしれません。
「見てみようかな?」と思ったら、こちらのリンクから直接『 エレファント』をご覧くださいね。
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本ページの情報は2021年4月時点のものです。
最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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