今回は「北マケドニア」の映画を紹介したいと思います

「北マケドニア」ってどこにあるかご存知ですか?
「北マケドニア」は東ヨーロッパのバルカン半島南部にある国です。(2018年に「マケドニア」から「北マケドニア」と国名変更をしました。)
(海をはさんで西(左)は「イタリア」そして南(下)にはギリシャがあります)
日本人にとってはあまり馴染みがない国かもしれませんね。
今回は日本人にとってはちょっと珍しい北マケドニアの映画『ハニーランド 永遠の谷』について、どんな映画か紹介していきます!
尚、ここから先はネタバレ情報を含みますので、「ネタバレは嫌だ!見るまで何も言わないで!」という方は、こちらのリンクから直接『ハニーランド 永遠の谷』をご覧くださいね。
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「ハニーランド 永遠の谷」はどんな映画?(あらすじ)
『ハニーランド 永遠の谷』は、目が不自由で寝たきりの老いた母親の面倒を見ながら、自然養蜂で暮らす女性の3年間を追ったドキュメンタリー映画です。
【映画観た’21👀 file.086】
『ハニーランド 永遠の谷(北馬 2019)』
(Honeyland)監督:リューボ・ステファノフ、タマラ・コテフスカ
北マケドニア
目が不自由で寝たきりの老いた母親の面倒を見ながら、自然養蜂で暮らす女性の3年間を追ったドキュメンタリー半分はあなたにの精神 pic.twitter.com/YMoU8q6ruE
— れふ (@XmugLwwY8PlmunH) March 10, 2021
ハニーランド 永遠の谷」のネタバレ
主人公のハティツェ・ムラトヴァ(女性)は北マケドニアの人里離れた谷に、年老いた病気の母親と暮らす養蜂家です。
電気も水道もなく、伝統的で自然な方法で蜂蜜を採り、街で売って生計を立てています。
貧しいながらも彼女と母はゆっったりと楽しそうに日々を暮らしているのです。
そんなある日、ムラトヴァの隣にある一家がやってきます。
たくさんの牛を飼い農作物を育てます。子供も働かせています。この一家はとにかく騒しく、まくしたてたり大声で怒ったりし、せかせか働きます。
ムラトヴァは水に落ちた蜜蜂でさえ葉っぱに乗せて救います。
一方隣の家族は、病気で死んだ牛をトラクターで引きずり、物のように捨ててしまいます。
子どもたちとは仲良くしていたムラトヴァでしたが、隣の家の主人が養蜂業に興味を持ち、自分達もやり始めるようになります。
勿論、ムラトヴァのように丁寧ではありません。そして彼女の教えを破り、全ての蜂蜜を搾取してしまうのです。
その結果、巣を奪われた蜂たちは攻撃的になり、彼女の巣の蜂を攻撃するようになり、彼女の蜂達を殺してしまうのです。
そのことを隣の主人指摘するも、全く取り合わず、養蜂に必要な木々まで燃やしたり、枯れ木を切り落とすという愚行をし続けるのです。
やがて一人になったムラトヴァは、エンディングで犬と巣蜜を分けあって食べます。その姿は、自然からの恵みを慈しむようでとても美しいものです。
一方、隣の家族と蜂蜜を買い取る業者は、蜂蜜をガツガツと無造作に食べ散らかしています。
「ハニーランド 永遠の谷」(映画)の評価

それではこの作品の評価を見ていきましょう。
評価は5段階評価で表しています。
※著作権の関係があるので、原文の意味、ニュアンスを変えずに書き改めています。
原文は出展URLからご確認頂けます。
低い評価
『ハニーランド 永遠の谷』には「低い評価」というのがあまりありませんでした。
特にケチョンケチョンにけなすようなものや、「全くおもしろくない」「見るに値しない」のような主旨の感想はありません。
やはり「ドキュメンタリー」ものなのだからでしょうか。
1件だけ低い評価のものがありましたので紹介しておきます。
○評価:★★☆☆☆(2.0)
北マケドニアの小さな村で、自然で巣を作るミツバチから半分蜜を採取して暮らす女性が、トルコ人一家が近所に住み着いたことで、生活様式が激変していく。
ミツバチとの共存共栄の方法を知り尽くしている彼女と、とにかく養蜂用の箱を大量に自作して蜜を採取しようとする一家の、お伽話のような分かりやすい対比。
そこにあるのは、自然と人間との、見えない協定と調和だ。
ただ、中盤以降の一家の父親とハチミツの売買を交わす行商人とのやり取りに難有りだった。
会話内容やカメラアングルやカット割りに、作為的、ハッキリ言えば「やらせ」っぽい演出を感じてしまった。
アカデミー賞2部門にノミネートされるも両方とも逸したのは、そのあたりが原因だったのかなと邪推。
わざとらしい「やらせっぽい演出」かどうか、これは評価が分かれそうなところですね。
高い評価
では、高い評価を見てみましょう。
○評価:★★★★☆(4.0)
切り立った断崖で、天然の蜂の巣に手を伸ばす冒頭の映像で、時代を超越したとてつもない映像を観ていると自覚させられた。
自然と共生する女性のドキュメンタリー、と紹介するのは容易いが、彼女の人生は綺麗事にできるようなものではない。
当人が嘆き悲しんでいるわけではないが、逞しさと諦念は背中合わせで、刻みつけられた孤独を羨ましいと言い切れる人は稀ではないか。
彼女の新たな隣人となる一家は、明らかに彼女の生活や価値観を脅かす外界からの侵入者として機能している。
その意味では、この家族の役者っぷりがみごとで、ドキュメンタリーなのか劇映画なのか限りなく曖昧にしているが、そもそもドキュメンタリーは作り手の視点から描かれるものなので、むしろ劇映画であっても映画のインパクトが減るわけではまったくない。
どこかにある秘境の、自然と人間の切実な営みに悄然とする。それだけでも料金以上の価値がある。
○評価:★★★★☆(4.0)
自然の恵を受けて生きる以上、”次のために残す”ということは共通の掟だったはず。
そんなことも忘れて目先の金に囚われる隣家の遊牧民。でも、彼らを愚かと断じる資格を果たして私は持っているのか?カメラを通して観るにはとても美しい画でした。その生き方も。
ただ、これからの彼女の現実を思うと…
○評価:★★★★☆(4.0)
これ、ほんっとに貴重で凄い映像!よく撮れたなという気持ちと観れたことの感謝まで感じる…
この映画を日本に持ってきてくれた人も、きっと同じ気持ちでこの映画を観て欲しかったに違いない!
「半分はわたしに、半分はあなたに」
自然の仕組みや尊さを理解してないとなかなか出来ない、そんな彼女の隣にやってきた騒がしい一家との対比が残酷だけど素晴らしい。繰り広げられるトルコ語?はたまに和訳もされてないしナレーションもないので、本当に覗き込んでいるかのよう。
凄いのは、北マケドニアの養蜂家っていうあまり馴染みのないことにフォーカスしてはいるけど、現代社会の皮肉もあるので、どこの国も違いはないし、今回のきっかけが「蜂」だっただけ。
彼女のことを思うと心苦しかった。
めちゃくちゃ当たり前だけど沢山の人に沢山の物語があって、それが垣間見れるのはドキュメンタリー映画の魅力でそれがいっぱい詰まった映画!
○評価:★★★★★(5.0)
一切のナレーションを排して廃村に暮らす人々にぴったりと寄り添うカメラが映し出すのは美しい大自然とその中で暮らす人間の清貧、無邪気さ、逞しさ、そして剥き出しの感情。
ここまで赤裸々な人間模様を一切の演出なしに引き出すに至る人間関係を構築するだけでも途方もない時間がかかったことでしょう。
自然と共生することの崇高さを丁寧に掬い上げたカメラは、今度は一転して人間の欲望が破壊する自然の儚さを切なく見つめる。
90分に満たない短い尺に封じ込められた3年間のドラマはずっしりと重く、胸を締めつけられました。
今年のオスカーで長編ドキュメンタリー賞と国際映画賞に同時にノミネートされたのも納得の圧倒的な存在感を持つ作品です。
「ハニーランド 永遠の谷」(映画)の見どころ・考えさせられる点
この映画では、北マケドニアの田舎の美しい風景が楽しめます。
そしてあまり馴染みのない「養蜂」の様子を見ることができます。特に素手で蜜蜂の巣からハチミツを採取するシーンには驚くことでしょう。(「刺されないの?」とか思ったり…)
しかしなんといっても、考えさせられる点は、主人公のハティツェ・ムラトヴァのような昔ながらの自然なやり方、生き物や自然に感謝する心と、隣人の対照的な「儲かればいい」的な心と、生き物達への感謝の念もないところです。

隣人のやり方を踏襲しているのが現代の私達の生活なのではないでしょうか
この2人の生き方の対比がこの映画の「見どころ」と言っていいと思います。
また「介護」に関する問題も含まれています。
この映画は、人間の生き方を問うヒューマニズムに溢れた内容です。ちょっと重めなので「暇つぶし」的な感じに見るのには適していないかもしれません。
とはいえ「北マケドニア」の映画というのはなかなか見る機会もないと思いますので、この映画の視聴は貴重な体験になると思います。
この映画は日本では2020年6月26日から公開されたものですが、現在「U-NEXT」で視聴することができます。
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本ページの情報は2021年3月時点のものです。
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