『オズの魔法使い』でハリウッドのスターダムに駆け上がった 女優の “ジュディ・ガーランド”。
彼女が歌ったあの有名な曲「虹の彼方に(Over the rainbow)」は、あなたも聞いたことがあるかもしれませんね。
人気を博したジュディですが、決して順風満帆だけではなかった彼女。不眠症や神経症に苛まれ、やがて薬物依存になってしまいます。
そんな彼女の晩年を描いたのがこの映画『ジュディ 虹の彼方に』。
苦難と苦悩に満ちた晩年のジュディを演じるのは女優のレネー・ゼルヴィガーです。全ての歌唱シーンを吹き替え無しでこなした彼女の演技は圧巻です。
今回はこの『ジュディ 虹の彼方に』のあらすじとキャストをご紹介したいと思います。また、この映画を見たみんなの感想も紹介します。
なお、これ以降は「ネタバレ」になってしまうので、
「ネタバレは嫌だ!見るまで何も言わないで!」
という方は、こちらのリンクから直接『ジュディ 虹の彼方に』をご覧くださいね。
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「ジュディ 虹の彼方に」のあらすじとネタバレ!
それでは、映画『ジュディ 虹の彼方に』のあらすじを「起承転結」に沿って解説していきます。
起:「オズの魔法使い」から30年たったジュディ
1939年。『オズの魔法使』のドロシー役に抜擢された少女時代のジュディ。
自分が思うように歌えず、またあれこれ行動を管理され自信がなくなってしまったジュディは映画製作会社の最高責任者であるルイス・B・メイヤーに「待って欲しい」と言います。
メイヤーはジュディに「町には君よりきれいな女の子がいる。でも君は彼女達が持ってない歌声を持っている」言います。
更に、メイヤーは「大人気の子役シャーリー・テンプルと代えたっていいんだ」と言い、ジュディに「普通の生活に戻りたいのか?」と問います。
そんなメイヤーのプレッシャーにジュディは大スターになる道の方を選ぶのでした。
そして約30年たちジュディは40代後半になっていました。
1968年の冬。彼女は次女のローナと長男のジョーイを連れて地方を巡業しています。
その日はロサンゼルスでの巡業でした。しかしかつての人気は既になく、ギャラも少ししかもらえません。宿泊先のホテルの費用を滞納してホテルから追い出されてしまいます。
困ったジュディは子供たちとともに二番目の夫だったシド・ラフトの元を訪れます。
シドは、その日暮らしのような生活をして子供たちを連れて巡業するジュディをなじります。そしてジュディは彼から「出て行け」と言われてしまうのです。
ジュディは仕方なく、一番目の夫だったヴィンセント・ミネリとの間にできた長女のライザ・ミネリの家に行きます。
ライザの家ではパーティーが開かれていて若者たちが楽しそうにしています。そこでジュディはニューヨークでナイトクラブを経営しているという青年実業家のミッキー・ディーンズと出会います。
2人は朝まで楽しく過ごします。
承:ロンドンに行くジュディ
そんなジュディの元に、ロンドンのナイトクラブのオーナーのバーナード・デルフォントから、「トーク・オブ・タウン」でのライブショーへの出演依頼の話が来ます。
ジュディはハリウッドでは落ち目でしたが、ロンドンではまだ根強い人気があったのです。
一方、二番目の夫のシドは弁護士を通じて、次女と長男の親権を主張してきました。
家もお金もないジュディ。子供たちと別れるのは辛いことですが、借金返済と生活費を稼ぐためにはロンドンでの仕事の依頼を引き受けるしかありません。彼女はシドに2人の子供を預け、単身ロンドンに渡ります。
ジュディはロンドンではまだまだ人気者でした。デルフォントや世話役のロザリンがあたたかく迎えてくれます。宿泊先は高級ホテル。一流スター並みの扱いを受けます。
バッグバンドのリーダーのバートを紹介されリハーサルにのぞみますが、ジュディは歌うことができません。精神が安定せずに、ピアニストとの音合わせもせずに勝手に帰ってしまうのです。
明日から始まるショー。チケットは既に完売しています。ジュディは緊張して眠れません。
公演当日。もうすぐ開演時間だというのにジュディは楽屋にいません。ホテルのバスルームに引きこもっていたジュディ。ロザリンはそんなジュディにメイクをし衣装を着せてナイトクラブへと引っ張っていきました。
ナイトクラブに着いても弱音を吐いているジュディ。しかしロザリンに背中を押され舞台に立つと、圧倒的な歌唱力で観客を魅了します。
これ以来、ジュデイはロザリンとも信頼関係が築かれて行きます。
ショーは二日目以降も大盛況でしたが、ジュディは相変わらず不眠症です。そして少女時代のことを思い出します。
それは、彼女の誕生日の数ヶ月前のこと。
誕生日の日には時間が取れないからという理由で、その日に「ジュディの誕生日を祝おう」とある日言われます。戸惑うジュディ。
その頃彼女は、ダイエットをするように言われていて、食べたいものも食べられませんでした。食欲を抑える薬も飲まされました。それだけではなく、長時間眠らなくてもいい薬、逆に睡眠薬も取らされ、更にはスタイルを維持するための薬も。とにかく少女時代ジュディは薬漬けの毎日だったのです。
そんなある晩、ショーが終わったジュディを2人の熱烈な男性ファンが待っていました。彼らはゲイのカップルでした。
最初ジュディは一緒にディナーを食べないかと誘いましたが、どこも店は開いておらず、ジュディーと2人の男性の家で食事をすることにします。
ゲイカップルの一人は最近まで刑務所にいました。当時イギリスでは同性愛が違法だったのです。また同性愛者は差別を受けていましたがジュディはなんの偏見も持っておらず、彼女は2人のために、ピアノに合わせて ‘Get Happy’ を歌い楽しいひと時を過ごします。
転:ミッキーと結婚するジュディ
次の日の朝、ホテルの部屋にルームサービスが来ます。しかしジュディはルームサービスは頼んでいません。怒り出す彼女でしたが、なんとルームサービスの台の下にミッキーが隠れていたのです!
喜ぶジュディ。ジュディはミッキーをバートやロザリンに紹介します。
ミッキーとの楽しい時間を過ごすも、テレビ番組でインタビューを受けた際に意地悪なインタビュアーからシドとの親権争いに関する質問をされ、ジュディは傷ついてしまいます。
そんな気持ちを引きずりながらお酒を飲み、ベロベロになった状態で舞台に上がります。そこで待たされた客の野次に反応して、ステージ上で客を罵倒してしまいます。
大失態を犯してしまったジュディはデルフォントに謝罪しました。謝りながら彼女は少女時代のことを思い出します。
それは、自分の誕生日の何ヶ月前にスケジュールの予定で開かれたバースデーパーティー。しかもケーキも偽物。反発したジュディは撮影所のプールに飛び込みました。
そのことで撮影が遅れてしまい、メイヤーに怒られジュディは謝りました。
そんな時のことを思い出したジュディに対してデルフォントは彼女に医師の診察を受けるように言います。
診察の結果、ジュディは肝臓だけではなく、かなり体が悪くなっている状態になっており休養が必要であることが告げられます。
そんなジュディをミッキーが慰めます。彼は2人で一緒に事業をしようと持ちかけます。「ジュディ」という名前をつけた映画館を開こうと言ってくれました。
ジュディーはミッキーとロンドンで3回目の結婚をします。バートやロザリンに祝福され、ジュディは熱唱します。
その後ミッキーはジュディのために契約を取り付けるためにアメリカに戻ります。
結:舞台から去るジュディ
そんなジュディの2番目の夫だったにシドが訪ねてきました。
彼はジュディに、子供たちはシドと暮らすことを望んでいると告げます。しかし彼女はそんなことは信じられません。怒ってシドを返した後、電話で子供たちを話します。しかし次女から「ママとは暮らせない」と言われてしまうのです。
「子供たちと一緒に暮らすためにロンドンで頑張ってきたのに!」ジュディはやりきれない思いで泣いてしまいます。
悪いニュースはこれだけではありませんでした。
ホテルに戻るとミッキーが待っていて、契約が取れなかったとをジュディに話します。理由はジュディがステージで客に対して暴言を吐いていたことがアメリカでも報道されており、それが原因だと言うのです。
ミッキーに批判されたように感じたジュディはミッキーと口論になってしまいます。そしてミッキーを「あなたも今までの男と同じだ」と罵倒してしまうのです。ミッキーは出て行ってしまいます。
ぼろぼろになったジュディは舞台に上がります。しかし遅刻したジュディは客に大ブーイングを浴びせられ転倒してしまいます。
ジュディを守りきれなくなったデルフォントは遂に彼はジュディとの契約を打ち切ることを決めます。
ジュディの後釜にはロニー・ドネガンがショーを行うことになります。
その日ジュディは、ロザリンとバートが開いてくれたレストランでのささかやかなバースデーバーティーでケーキを美味しそうに頬ばります。少女時代のあの偽物のケーキではなく本物のバースデーケーキです。
そしてジュディはその日の夜のロニーのショーを見たいと言います。
ナイトクラブに着いたジュディは舞台裏でロニーに「一曲でいいから歌わせて欲しい」と頼みます。ロニーはそれを承諾します。
舞台に上がったジュディは“Come Rain or Come Shine”を歌います。聴衆の拍手を受けて、彼女は”Over the rainbow(虹の彼方に)を歌いだします。しかし途中で歌えなくなってしまいます。
その時、その舞台を聞いていたあのゲイのカップルが立ち上がり、その先続きを歌い始めると、次第に客も一緒になって歌い出します。
それを見てジュディは客との間に生まれる「愛」を感じ、心からの感謝を伝えます。
この公演から半年後。過剰に睡眠薬を取ったジュディは47歳で亡くなります。
「ジュディ 虹の彼方に」のキャスト
次にこの映画のキャストをご紹介します。
●レネー・ゼルヴィガー(1969年4月25日生まれ)
主役のジュディを演じるのは女優のレネー・ゼルヴィガーです。
アメリカ・テキサス州の出身で大学在学中から演劇にのめり込み、1993年に「バッド・チューニング」で女優としてデビューします。3年後の1996年に出演した「ザ・エージント」でトム・クルーズの相手役をつとめブレイクします。
近年は「コールドマウンテン」や「ブリジット・ジョーンズ」(アカデミー助演女優賞を受賞)に出演し、今回の作品で見事、「第92回アカデミー主演女優賞」を受賞しました。
●ジェシー・バックリー(1989年12月28日生まれ)
ロンドンのナイトクラブでジュディの世話をしていたロザリン役を演じるのは女優のジェシー・バックリーです。
彼女は2008年のイギリスBBCのオーディション番組「I’d Do Anything」で第2位になり、その後、ミュージカル「リトル・ナイト・ミュージック」でデビューします。
2017年にドラマ「TABOO タブー」や映画「Beast」に出演し、英国アカデミー賞新人賞を受賞します。そして翌2018年にはイギリスの「インディペンデント映画賞最優秀新人賞」を受賞したました。
幼少から中学校で歌唱コーチを務める母より歌を習っていることもあり、彼女の歌声は素晴らしいと絶賛されています。
●フィン・ウィットロック(1984年10月28日生まれ)
ジュディの3番目の夫のミッキー役を演じたのは、アメリカ(マサチューセッツ州)出身の俳優兼脚本家のフィン・ウィッロックです。
2004年に『Halloweentown High』のコーディー役で映画デビューした時、彼はまだ学生でした。
ジュリアード音楽院を卒業した後、2009年から『All My Children 』に2009年からレギュラー出演をしています。
2014年に出演した「ニューヨーク 冬物語」以降は、毎年2〜3作品以上の映画にコンスタントに出演しています。
● シド・ラフト(1967年10月29日生まれ)
ジュディの2番目の夫だったシド役を演じるのはイギリス生まれのルーファス・シーウェルです。
ロンドンの「セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ」で演技を学んだ後、舞台俳優としてデビューします。
1995年にはブロードウェイデビューを果たしますが、映画は、1991年に「21 Twenty-one」に出演。それ以降注目され始めます。
イギリス国内は勿論、ハリウッド映画にも多数出演しています。
●マイケル・ガンボン(1940年10月19日生まれ)
ジュディのバンドのリーダーのバート役を演じたのは、アイルランド出身のマイケル・ガンボンです。
テレビや映画、舞台でも活躍しているベテランの俳優です。
デビューは1965年の「オセロ」です。2005年のは第3弾「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」からはダンブルドア教授を演じています。
「ジュディ 虹の彼方に」のみんなの感想
最後に、この映画を見た人達の感想をご紹介します。
この映画を既に見た人達はどんな感想を持ったのでしょうか?
全般的には「面白かった」という評価が多かったのですが、中には「あまり…」という感想を持った人もいるようです。
評価は5段階評価で表しています。
※なお、著作権の関係があるので、原文の意味、ニュアンスを変えずに書き改めています。
原文は出展URLからご確認頂けます。
●評価:★★★★☆ (4.0)
表情・顔の皺までま、まるでジュディ・ガーランドが憑依したかのような圧巻の演技でした。
心を通わせることのできた人が劇中で出てこなかったので、孤独な人生で、まさにショーに生きた人生だったのだなと分かりました。
ラストショーでは観客と心が初めて通い合っていました。私生活では得られてなかったであろう心の交流が描かれており、涙しました。
出展:https://eiga.com/movie/89007/review/02407910/
●評価:★★★★★(5.0)
主役を演じたレネイ・ゼルウィガーは、「ブリジット・ジョーンズの日記」や「シカゴ」で全盛期でしたが、40第になると役が限られてしまい評価が下がっていきました。しかも6年の活動休止中に美容整形も疑われ、「終わった人」の烙印さえ押されかけていました。
しかし見事なカムバックを果たし、ジュディとレネイの人生を重ねて見た人も多いのではないでしょうか。(「レスラー」のミッキー・ロークのように)
若い頃のジュディを演じた新人ダーシ・ショウは、子役時代のジェニファー・コネリーにも似て無垢な美しさと大きな瞳が印象的です。今後の活躍が楽しみです。
出展:https://eiga.com/movie/89007/review/02281168/
●評価:★★★☆☆(3.0)
すごく期待していたけど、はっきり言ってがっかりしました。
例えば薬物依存の苦悩や子供達と暮らせない悲しさが伝わって来なかった。演技が表面的だったと思ます。歌はそれなりの頑張っているとは思いますが、人物的に似せているようにも思えませんでした。
私はジュディをよく知ってるわけではないけど、ただのわがままオバさんにしか見えず魅力的だとは思えませんでした。
あれだけの人気を誇っていたのだから、もっとカリスマ的な魅力がある人だったはず。
子供時代は確かに扱いもひどく気の毒だとは思うけれど、大人になったらどうにかならないものかと思いました。
この作品は半生を描いているわけではなく、本当に最晩年を描いているのみ。
感動したのは代表曲の「虹の彼方に」を歌った時だけで残念でした。
出展:https://eiga.com/movie/89007/review/02398431/
●評価:★★★★☆(4.0)
この映画は、まさにレニーとジュディの人生が重なっています。
最近のレニーは整形疑惑で昔の人というイメージだったのですが、この作品で「また脚光を浴びるぞ!」という気持ちと、ジュディの「ロンドン公演を成功させるぞ!」が重なっていて、すごく作品になったと思います。
むしろレニーが整形をしたことが功を奏してるようにすら思え、ジュディが乗り移っているような気がして、すごいだけじゃなくて怖いくらい。俳優って怖いなって思いました。
この業界で生きてきたジュディが利用され壊されているのに、ステージでしか生きられない彼女に同情や哀愁、また凄みさえ感じました。
LGBTや黒人達にも優しいジュディに、本来の温かい人間性を感じました。
出展:https://eiga.com/movie/89007/review/02394594/
わがままだけれど繊細な女性だったジュディ。
「まるでジュディが乗り移ったかのような迫真の演技」と評されるほど、主演のレネー・ゼルウィガーはまさにはまり役だったようですね。
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