「レ・ミゼラブル」というと、ヴィクトル・ユゴーの小説、またはそれを原作にしたミュージカルを思い浮かべるかもしれません。
しかし、今回お話する『レ・ミゼラブル (2020)』はそれとは全く異なるストーリーで、現代のフランスが抱えている問題がテーマになっています。
大変話題になった作品で、カンヌ国際映画祭で高く評価され「カンヌ審査員賞」を受賞しています。
今回はそんな『レ・ミゼラブル (2020)』のストーリーをネタバレ♪ どんなラストを迎えるのかについてもお話したいと思います。
また、この映画を見た人達の感想も後半で紹介していきます。
そして最後までお読みいただくと、この映画のタイトルがなぜヴィクトル・ユゴーの小説と同じタイトルになったのかが分かります!
尚、ここから先はネタバレ情報を含みますので、「ネタバレは嫌だ!見るまで何も言わないで!」という方は、こちらのリンクから直接『レ・ミゼラブル(2020)』をご覧くださいね。
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「レ・ミゼラブル (2020)」 映画のネタバレ
舞台はフランスのパリの郊外「モンフェルメイユ」という街。
実はこの街は、小説「レ・ミゼラブル」の舞台になった町でもあるのです。
警察官のステファンは犯罪防止班の一員に加わり、この街の中の特に治安の悪い地域をパトロールすることになりました。
その地域ではギャングチームがいくつかあり、抗争状態で不穏な空気が流れていました。
パトロールには上司のクリスと同僚のグワダも一緒です。
そんな時、サーカス団のライオンの子どもが盗まれるという事件が起きます。犯人探しの中、ギャングチーム達は、一触即発の状態になってしまいます。
捜査の結果、イッサという少年が犯人であることが分かったのですが、それがきっかけで更に大騒動を引き起こしてしまうのです。
この映画には華やかでオシャレなパリは登場しません。その代りに貧しい地域で起きている移民の問題が浮き彫りにされています。
記憶にあるかもしれませんが、実際、2005年の10月にパリ郊外で暴動事件が起こっています。(「パリ郊外暴動事件」)
これは北アフリカ出身の若者3人が警官に追われ、逃げ込んだ変電所で感電死したことがきっかけでした。
実はこの映画の監督ラジ・リは、この「パリ郊外暴動事件」がきっかけで映画化に興味を持ったと言います。
つまり、『レ・ミゼラブル (2020)』はこの暴動事件がモチーフになっているのです。
「レ・ミゼラブル (2020)」 映画のラスト
今お伝えした2005年の「パリ郊外暴動事件」は、鎮圧までに20日ほどかかっていますが、この『レ・ミゼラブル (2020)』ではどのような結末を迎えるのでしょうか。
実はこの映画の結論は視聴者に委ねられています。
暴動のさなか、異なるギャングチーム同士が協力して警察や市長をボコボコにしてしまいます。
ギャング達にとって警察や市長という「権力」は共通の「敵」なのです。
そして、ラストでは、ギャングの組織に属しない少年の一人(イッサ)が、警官ステファンに発砲しようとするシーンで終わるのです。
『レ・ミゼラブル』
華やかなイメージのパリとは違いレミゼラブルの舞台の郊外の街、移民や低所得者の暮らす治安の悪い地帯、子供の起こした事から悪い方向への連鎖が始まり後半のカオス、そしてラストシーン、エンドロールの言葉が胸に刺さる。 pic.twitter.com/gdsVEXTXOv
— zero@ミュージカル映画の虜 (@zero31491505) December 6, 2020
ラストシーンの「エンドロールの言葉」というのは、ヴィクトル・ユゴーの小説にある言葉
「友よ、よく覚えておけ、悪い草も悪い人間もない、育てる者が悪いだけだ」
が引用されています。
この映画の舞台「モンフェルメイユ」の街は、ヴィクトル・ユーゴーの小説「ラ・ミゼラブル」の舞台でもありますが、200年たった今でも暴動の火種がくすぶっていると言われています。
ヴィクトル・ユーゴーの小説にも、抑圧された貧困層が不満を爆発させ暴動を起こすという背景があり、この映画『レ・ミゼラブル (2020)』と共通のものがあります。
200年たっても問題は解決していない。そんな皮肉がこの映画のタイトルに込められています。
「レ・ミゼラブル (2020)」 映画のみんなの感想
それでは更に「ネタバレ」させるためにも、実際にこの映画を見た人の感想を見ていきましょう。
『レ・ミゼラブル』観た。
犯罪が日常的に罷り通る治安の悪さ、それに対して力を行使する警官、そうなると住民も非協力的どころか妨害もしてくる、この負の連鎖を見事に描けている。
警官=悪者と捉える人の気持ちもわかるが、これはもう現代政治が抱える問題だからこそのジレンマが伺える。 pic.twitter.com/wmD8hxS7ue— おーつ@映画垢 (@movie456456) December 10, 2020
#レミゼラブル
何が起こるかわからない怖さが体験できたので、前情報入れなくて良かった。常に怒りに満ちていて、誰も悪くないし、どの人物に自分がいつなってもおかしくないと思った。火炎瓶といえばスリー・ビルボードだけど、この映画の火炎瓶はより現実のものだと感じました。@FansVoiceJP— akane (@city9m) January 28, 2020
#レミゼじゃないレミゼ @FansVoiceJP #レミゼラブル ミュージカルではなかったが、ドキュメンタリーのような問題作。パリ郊外の貧民地区は無法地帯だがここもパリの一部。移民や格差で喘いでいる街。そして日本とは違う、世界の縮図がここにはある。来るアカデミー賞での評価が楽しみな作品。 pic.twitter.com/MjDOl3p3P5
— chisato kaneda公式 (@ChisatoKaneda) January 27, 2020
これらの感想を見ると、パリ郊外のこの地域の治安の悪さやフランスが抱えている問題を感じることができます。
@fansvoicejp #レミゼラブル 試写会。ワールドカップ優勝でフランスが一致団結する場面から描く皮肉。貧富・人種・社会での立場等が違う人々により信念も善悪も変わる不条理に迷える大人達とそれに振り回され傷付く子供達。そしてラストの急展開。衝撃的で緊迫感が凄かった。#レミゼじゃないレミゼ pic.twitter.com/7efJeHOT04
— たぷにゃん (@TOP_BIG_LOVE) January 27, 2020
民族の争い、宗教の争い、そして権力への抵抗というフランスの問題を浮き彫りにしたこの作品。
日本に住んでいると今ひとつピンと来ないかもしれませんが、今後訪れる「多様性(文化)との共存社会」に向けて参考になる作品であることは間違いありません。
この問題に興味ある方は勿論、「華やかでオシャレだけではないフランスも見てみたい!」という方は、こちらのリンクから直接『レ・ミゼラブル(2020)』をご覧くださいね。
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本ページの情報は2020年12月時点のものです。
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