内戦が激化しているシリアの戦地で、一人の女性により戦場のリアルを映し出したドキュメンタリー作品。
それが、カンヌ国際映画等の映画祭で高い評価を受けた『娘は戦場で生まれた』です。
2020年2月に公開されたこの映画。実録を元にした映像に多くの人が衝撃を受けました。
その実録から時間がたった今、現在その少女がいる街はどうなっているのかについて触れてみたいと思います。
また併せてこの映画のあらすじと、映画を見た人達の感想もみてみます。
尚、ここから先はネタバレ情報を含みますので、「ネタバレは嫌だ!見るまで何も言わないで!」という方は、こちらのリンクから直接『娘は戦場で生まれた』をご覧くださいね。
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「娘は戦場で生まれた」のその後
この映画はシリアの「アレッポ」という街で撮られたものです。
2011年から撮られたこの映像ですが、実は5年後の2016年の12月に政府軍がアレッポの全域を奪還し、それとともに内戦は終焉にむかいます。
しかし多くの建物が破壊されてしまい、復興もなかなか進みませんでした。
そこから4年たった現在。復興は進み、今年(2020年)の10月には、アレッポ石鹸で有名な石鹸販売市場が復活祭オープンしたようです。
https://t.co/htykCt6IYe
シリアのアレッポで再建されたدقة قديمةDakka Kadima石鹸販売市場خان الصابونハーン・アッ=サーブーン。2020/10/10夕方18時に復活再オープン。早速シリア人のお客さん達が買い求めに来たそうです。
— とらお (@torao_ar) October 13, 2020
とはいえ、まだまだ街が完璧に復興したわけではありません。
また、シリア北西部では外国軍の爆撃が続いている所もありますし、外国に避難し難民となっている人達も少なくありません。シリア全体としてはまだまだ問題も抱えています。
しかしアレッポは内戦前に戻ろうと復興を続けています。
それでは、このドキュメンタリー映画の「あらすじ」を見てみましょう。
「娘は戦場で生まれた」のあらすじ
時は2011年。学生だったワアド・アルカティーブは、反政府デモの様子をスマートフォンで撮影し始めまます。
彼女はジャーナリスト志望でした。
政府と反政府の戦いは次第に激化していきます。
そんな中、ワアドは医師志望のハムザと出会います。彼は爆撃され廃墟となった所で負傷者の治療に当たっていました。
医療物資が足りていない中、負傷者はどんどん亡くなっていってしまいます。
2人は悲しみにくれますが、そんな中2人に娘が生まれます。
彼らは娘を「ハム」と名付けます。「ハム」とはアラビア語で「空」を意味します。
2人は娘の名前に自由と平和の願いをこめたのです。そしてワアドは、人々の様子を映像として記録することを決めます。
政府の攻撃は日増しに激しさを増していくのでした。
この後、その荒れ果てた街の様子、人々の悲しみと不安の表情がカメラに映し出されますが、ここで、この映画を見た人の感想を見てみることにしましょう。
「娘は戦場で生まれた」のみんなの感想
実際にこの映画を見た人の評価の多くは高く、「つまらなかった」というものはありませんでした。
なお、評価は5段階評価で表しています。
※著作権の関係があるので、原文の意味、ニュアンスを変えずに書き改めています。
原文は出展URLからご確認頂けます。
●評価:★★★★★(5.0)
この映画が観る者の心を打つのは、悲惨な現状を「客観的」な立場から描くのでは無く、一人の市民(当事者)として、そして母親としての立場から「主観的」に記録しているからに他ならない。この意味では、一般的なジャーナリズムのセオリーには反するのかもしれない。
その一方で、どんなドキュメンタリー作品よりも観る者に当事者意識を植え付け、問題意識を喚起することに成功している類稀な作品である。 またその視点は、一貫して罪の無い「子どもの命」に向けられている。言葉では伝えることの出来ない映像の力、映像である必然性を感じさせるとても重要な作品です。
(出展:https://eiga.com/movie/92273/review/02282555/)
●評価:★★★★★(5.0)
死と隣り合わせの世界を、極東の映画館でただただ涙を流して観ることしかできない無力感
子供が爆撃で死んでいく現実、泣くしかない家族、たまらない
悲惨なシーンの連続の中盤、思わず拍手喝采の場面有り
過酷な現実のなかで時折垣間見える人々の笑顔に、人間の奥深さをみる(出展:https://eiga.com/movie/92273/review/02351927/)
●評価:★★★★★(5.0)
開始冒頭、幼き我が子を映す母親。でもその途端、凄まじい爆音が響き、周囲から白煙が噴き出てくる。
この世に生を受けたばかりなのに、いきなり死の危険に晒されてしまう現実。
その後もカメラは、周囲で次々と起こる死と、その現実から逃れるかのように幼き娘の笑顔を交互に映す。
それでいて、爆撃によって死んだ親子を映しながら、「子どもを埋葬する前に死んだから」という理由で、死んだ母親に嫉妬する。観客の心も揺さぶれば、彼女自身の心も揺らいでいる。
それでも彼女は、ジャーナリストとしてカメラを回し続ける。
娘の名に、アラビア語で「空」を意味する「サマ」と付けた彼女が望む空には、爆撃機は飛ばない。(出展:https://eiga.com/movie/92273/review/02313858/)
●評価:★★★★★(5.0)
空爆を受けて重傷をおった9ヶ月の妊婦から帝王切開で取り出した赤ちゃんが、医師の必死の処置で泣き声を上げたところは心底感動した。しかし、その後は正視出来ないほど悲惨な光景が続く。
(出展:https://eiga.com/movie/92273/review/02303489/)
高評価ばかりが続きますが、低めの評価の感想も一つ挙げておきます。
●評価:★☆☆☆☆(1.0)
劇場に足を運んで公開した。
一介のジャーナリストが映画作っちゃ駄目よ。テレビで報道しなさい。もう報道というレベルなのだから。作品では無い。
(出展:https://eiga.com/movie/92273/review/02359121/)
評価が「1.0」ではあるものの、この感想からは、この作品がいかにみんなが見ておくべきものであるかが分かります。
『娘は戦場で生まれた』が撮られてから約10年。
その後のアレッポの様子やワアドやハムが現在どのようにしているのか、復興の様子を綴った「続編」が見てみたい気がします。
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本ページの情報は2020年10月時点のものです。
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